県民会議

世界を視野に付加価値・労働生産性を高めよう

人口が減ると消費者も減り、市場が縮小することで企業の収益が下がるだけでなく、設備投資の意欲が低下し、生産性の向上も難しくなります。これにより、国全体の競争力が低下し、賃金も下がる「縮小スパイラル」に陥るおそれがあります。

そうした中、世界経済は今後も拡大し続けると予想され、市場が縮小する我が国にはない様々な経済的なチャンスがあります。また、各国で高齢化の進展、気候変動とそれに伴う災害の頻発化など世界共通の課題が深刻化することも予測され、こうした課題に世界の国や地域と協力して取り組むことも重要です。高い技術力や経験を持つ我が国、そして本県は、これらの世界的な課題解決に貢献できる可能性も持っています。

そのため、海外との交流を通じて最新の知見を積極的に取り入れるとともに、経済面では戦略的に海外展開を進めていきましょう。また、行政、企業、学校など多様な分野での人的交流も含め、世界の国や地域との協力関係を積極的に構築しましょう。

一方、我が国の付加価値労働生産性は、38のOECD加盟国中31位(2022年)と低迷しています。その要因はデジタル化が進まなかったことに加え、賃金上昇を抑えて雇用を守り、モノやサービスの価格を抑えて仕事を確保してきたことにあると言われています。

今後、こうしたデフレ的安定から脱していくためには、各企業、各産業、特に地域に根ざした産業の付加価値労働生産性を徹底的に高めていくことが大切です。私たちの価値観の転換に加え、リスキリングやデジタル化の推進やビジネスモデルのイノベーション、優れた経営者や経営体への事業や労働者の集約などが重要です。こうした取組により、製造業や観光業、農林業、医療や福祉などの各分野で、人口が減少しても持続的に賃上げや設備投資を実現していく「正のスパイラル」を生み出していきましょう。

付加価値労働生産性を高めるためには、企業や経営体の経営基盤を強化することも重要です。こうした観点からは、経営の規模拡大や業務の共同化、事業承継・M&A積極的に検討していくことも必要です。国に対しては、様々な分野での規制改革や、労働市場の整備、公定価格の制約の中で賃金水準が決められている福祉従事者などの賃金水準の大幅な引き上げなどを、協力して働きかけていきましょう。

2050年にありたい姿

県内の企業・事業者のグローバル化(輸出や海外への投資の拡大など)が進み、世界市場で大きな売上げを獲得している。

海外からの投資やインバウンド旅行者による観光消費が盛んで、県内経済の発展に大きく貢献している。

世界水準から見ても各企業、各分野の付加価値労働生産性が極めて高く、企業や経営体の利益も賃金も大きく増加している。

県内で生み出された農畜産物や工業製品、発酵食品を中心とする加工食品、伝統的工芸品などのブランドや品質が国際的に広く認められ、その価値やブランドにふさわしい価格で取引されている。

高齢化の進展、気候変動、災害の激甚化・頻発化等の世界共通の課題に、行政、県内の企業、研究機関等が世界の国や地域、企業等と協力して取り組んでいる。

県・市町村と海外の国や自治体等との連携が拡大・強化され、県内産業の発展や社会的課題の解決に大きく寄与している。

2030年に目指す旗

  • 事業所に対する支援体制が整備され、事業承継・M&Aが進むとともに、総務事務等業務の共同化をする企業が増加している。
  • 民間・自治体など様々な分野のDXやリスキリングを支援する体制が充実しており、多くの事業所が積極的に取組を進めている。(2027年DXに取り組む事業所70%)
    ※39%(2023年)
  • 付加価値労働生産性(就業者一人当たり)を15以上向上させる。※8,426千円/人(2023年度推計)
  • 中核的経営体への農地の集積率を55%に向上させる。※43%(2022年)
  • 訪日外国人旅行者の観光消費額を1,000億円以上とする。※541億円(2023年)
  • 農畜産物の輸出額を30億円以上とする。※20.1億円(2022年)
  • 2027年に加工食品の輸出額を124億円以上とする。※78.9億円(2022年)
  • パートナーシップ構築宣言の登録企業数が2027年に2,500社以上となっている。※登録企業数833社(2024年4月)
    パートナーシップ構築宣言:企業規模の大小にかかわらず「発注者」の立場で親事業者と下請事業者の望ましい取引慣行の遵守などの取組方針を宣言するものとして国が主体となって実施しているもの